有料のDAZN(ダゾーン)で広告・CMが流れるのはなぜ?背景も考察

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DAZN(ダゾーン)とは?サービスの概要

サッカー観戦

まずは、DAZNの基礎情報を整理していきます。DAZNのことは知っている、DAZNと広告の関係を知りたい方は、こちらにお進みください。

世界最大のスポーツ配信サービス

DAZNは、世界最大のスポーツ配信サービスです。イギリスのあるPerformグループが手がけるサービスで、世界200以上の国と地域で利用することができます。

ライブでスポーツを観戦するストリーミング再生だけでなく、試合終了後の一定期間視聴できるフルマッチ映像やハイライト等のオンデマンド再生にも対応。インターネットに接続できる環境があれば、スマートテレビやスマートフォン、タブレットといったマルチデバイスで視聴することできます。

利用者数

DAZNは、公式に利用者数を公表していませんが、毎年公表している「DAZNファクトシート」の数字を元に、おおよその数字を把握することができます。

DAZNが公表している数字と、検索して見つかった情報を総合して、以下が確認できました。

・視聴時間:10億時間(2021年)

・ユーザー1人あたりの平均視聴時間:80時間時間(2020年)

https://dazngroup.com
https://businessnetwork.jp/article/8122/

計測している年度が異なるため、正確な数字ではありませんが、おおよその加入者数を割り出すことができます。

10億時間÷80時間=1250万

となり、全世界での加入者数は1250万人前後と推測できます。

何のスポーツが観られるの?11種類の配信コンテンツ

DAZNでは、サッカーや野球はもちろん、さまざまなスポーツを楽しむことができます。私は海外サッカーを毎週楽しんでいますが、自分のアカウントで確認できるスポーツを列挙してみました。日本国内での内容なので、世界各国では違いがあるかもしれません。

  • サッカー
  • 野球
  • モータースポーツ
  • アメリカンフットボール
  • バスケットボール
  • テニス
  • エクストリームスポーツ
  • ボクシング
  • レスリング
  • 総合格闘技
  • ダーツ

合計11種類のスポーツを楽しむことができます。サッカーや野球、モータースポーツなど日本でもファンが多いと思われるスポーツでは、日本語の実況や解説付きの放送を提供しています。

エクストリームスポーツやダーツなど、日本ではそこまで認知度の高くない競技では、日本語実況などがついておらず、全世界に配信されるコンテンツをそのまま放送しています。

料金プラン

DAZNの料金プランは、月間プランと年間プランの2種類がある。それぞれの目的に合わせて契約を検討すると良いでしょう。以下の表でまとめました。

契約内容料金(税込)支払い方法
月額プラン3000円(初月無料)月々払い
年間プラン27000円(初月無料)一括払い,月々払い

月額プランは3000円、年間プランは19250円で利用することができます。また、年間プランの場合支払い方法を「一括払い」と「月々払い」から選択することができます。

月額プランで1年間契約した場合、36000円(3000円×12)かかることになるので、年間プランで契約すると、9000円お得な計算です。

月額プランは月毎に契約するかどうかを選べるメリットがあるので、「セリーグの優勝争いの月だけは試合を観たい」など、時期を限定してスポーツを観戦したい方にはぴったりの契約方法です。
支払い方法はクレジットカードキャリア決済などに対応しており、詳細な入会の流れはこちらで確認することができます。

DAZNで放送される広告

DAZNを観ない日はないほどのヘビーユーザーである私が、サッカー配信時に表示される広告を例に、調査してみました。

※他のスポーツでの事例については、広告出稿の有無は確認できていません。

広告が出るタイミング

サッカーの場合、広告が出るタイミングは2通り。ハイライト視聴前に広告が流れると、サクサク観たいユーザーからはネガティブな意見がありそうです。Jリーグや海外各国のリーグを放送していますが、各リーグで広告が流れています。

・フルタイムで試合を視聴している時のハーフタイム
・ハイライト視聴前

広告の秒数

ハーフタイムでは30秒ほどの広告が複数本、ハイライトでは15秒ほどの広告1本が流れることが多いです。

広告主

スポーツベッティング(賭け)やFX、競輪、転職サイトの広告を最近はよく見かけます。DAZNの加入者はスポーツ好きの男性が多いと考えられるので、そうした層を対象に広告を出したい企業が、宣伝の場として活用しているのでしょう。

有料なのに、なぜ広告が流れるの?

他のサブスクリプションサービスや動画配信サービスと違って、有料契約でしか使うことのできないのに、広告が流れるDAZN。調べてみると、高騰を続ける放映権を毎年支払うためには、やむなく広告を流すしかない状況にあると予測できます。

【仮説】広告を流さないと放映権をペイできない

すでに紹介したように、DAZN公式ページは「どの広告ブロッカーもコマーシャルブレークをブロックすることはできません。」とアナウンスしています。一方で、「私たちはお客様のDAZN体験を最優先します 」とも言っています。

動画視聴において、顧客体験の向上≒広告のない視聴環境と考えている人がほとんどだと思うので、最優先するなら広告を流さないでくれ、と言ってしまいたくなります。

ここで、「広告を流さざるを得ない理由」を考えてみると、サッカーの放映権の高騰が原因でないかと考えられます。

加熱する放映権獲得競争

2021年までプレミアリーグ全試合を視聴できていましたが、2022年からは韓国のSPOTV NOWが日本での放映権を獲得。SPOTV NOWではプレミアリーグ全試合、AbemaTVでは上位クラブの試合を中心に試合を観ることができます。DAZNではプレミアリーグが視聴できない状況が今も続いています。具体的な数字はわかりませんが、プレミアリーグは世界中のサッカーファンが注目するリーグ。放送局にとっては、是が非でも放映権を獲得したいコンテンツであるのは間違いありません。

プレミアリーグだけでなく、現在DAZNが放映権を獲得しているラ・リーガ(スペイン)、セリエA(イタリア)などでも放映権が高騰する流れが続くとすれば、DAZNは広告を流さず加入者に試合を観てもらうようなサービス設計にはできないのでしょう。

月額料金も1925円から3000円(いずれも税込)に上がった後、ハイライト視聴時にも広告が入ったことで、困惑や怒りをぶつけているユーザーも確認できます。

DAZNの広告をブロックする方法は?

DAZNの広告をストップする方法は、確認できませんでした。
公式サイトでは、広告を出している意図を以下のように説明しています。

コマーシャルブレークは、私たちのビジネスの資金源です 

多くのスポーツ放送局と同様に、私たちも試合中の短い休憩時間(ハーフタイムなど)にコマーシャルを流しています。このCMを流すことで広告主から料金をいただき、その収入でスポーツイベントの放映権を購入しています。この権利のおかげで、DAZNで見ることのできる大きなスポーツイベントをお客様にお届けすることができるのです。

〜中略〜

どの広告ブロッカーもコマーシャルブレークをブロックすることはできません。つまり、お使いの広告ブロッカーがDAZNをブロックするように設定されていても、試合の合間には必ず少数のCMが表示されるということになります。

https://www.dazn.com/ja-JP/help/articles/adblocker
※フォントは筆者が編集

有料サービスを利用しているにもかかわらず、広告が流れることに抵抗のあるユーザーも多いと思います(私もその一人です)。YouTubeや音楽ストリーミングのSpotifyでは、有料サービスを使えば広告が流れないのを体験しているからこそ、DAZNのサービス設計に疑問を持つ方が増えるのは当然のことでしょう。

まとめ

今回はDAZNで広告が流れる理由やその背景について考察しました。

ワールドカップに向けたアジア最終予選が地上波で放送されないことが話題になるなど、サッカーを楽しみたい人にとっては欠かせないDAZN。

安くない費用を払ってでも国内外のサッカーを観たい、選手を応援したいというユーザーの気持ちに応えたい気持ちの一方で、そもそもコンテンツを提供するために、莫大な放映権を獲得する必要があり、運営会社としても板挟みの状態なのかもしれません。

世界で一番サッカーのレベルが高いと言われるプレミアリーグの放映権を他社に取られている状況では、一時的に国内の加入者が減るようなことも考えられます。私も、次回更新時は他のサービスに乗り換えようかなと考えています。昨年ブレイクしたサッカーマニアのアイドル影山さん(日向坂46)の笑顔を観られるだけでも、契約を続けてしまいそうですが・・・。

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