YouTubeのショート動画やTikTokに代表されるように、スマホ世代の最近のエンタメは「短尺(短い時間で完結する)」が主流となっています。私が愛するサッカーも例外ではなく、2時間程度の試合をテレビで観戦することに耐えられない若者が増えているという話をよく耳にします。ますますサッカー離れが進み、W杯で盛り上がった熱が一過性のものとなってしまいます。
スペインではサッカー離れに対して新しいアプローチが誕生しています。それが、今回紹介する「キングス・リーグ(Kings League)」。あのジェラール・ピケ(元バルセロナ、スペイン)が仕掛人という点も興味をひきます。日本でも参考にできる部分はありそうなので、早速見ていきましょう。
キングス・リーグ(Kings League)とは?
スペインで人気沸騰中の新しいサッカー「キングス・リーグ」について解説します。
7人制の新しいサッカー|スペインで人気急上昇
2022年にジェラール・ピケによって設立された7人制サッカーリーグ「キングスリーグ」。このリーグを主催するのは、ピケやイケル・カシージャス(元レアルマドリードGK)などの元トッププレイヤーや、インターネットストリーマーです。
全試合をYouTube、ツイッチ(ゲーム配信)で無料放送しており、テレビ視聴時間の少ない
若者を取り込む狙いがみえます。
ルール|サッカーとの違いは?
従来のサッカーと比べて、視聴者が楽しめるエンタメ性を重視しています。サッカーとの違いをあげてみると、
- 7人制、試合は20分ハーフ(前後半20分ずつ、合計40分間)
- 選手はドラフトで選ばれる(日本のプロ野球のイメージ)
- キックオフは、ピッチ中央のボールを目掛けて両チームが走り出す
- 引き分けはなし、即PK戦
PK方式も通常のサッカーと異なり、ハーフラインからキッカーはドリブルを開始し、GKと1対1をするという仕組みです。
型破りな「ワイルドカード」
従来のサッカーとは異なるルールを導入した中でも、最も刺激的なのが、キックオフ前に行われる「ワイルドカード」です。両チームは、選択したカードによって、様々な「飛び道具」を手にすることができます。
- 自由なタイミングでPK獲得
- 相手選手を一定時間退場させる
- すべてのゴールの得点数が2倍にカウントされる
マリオがスターを獲得して無双状態になったり、遊戯王のカードゲームで相手の手札を奪ったりするゲーム性を取り入れています。めちゃくちゃ面白そうです。
往年の名プレーヤーも参加
斬新なルールだけでなく、世界的なプレーヤーが参加していることも話題です。
ピケやカシージャスの他、アグエロ(マンチェスターCなど、アルゼンチン)、チチャリートの愛称で知られるハビエル・エルナンデス(マンチェスターUなど、メキシコ)など、日本の海外サッカーファンも興奮するビッグネームがプレーヤーとして参加しています。
人気選手が参加すれば、それだけでインターネット上での注目度は高まります。
彼らのセカンドキャリアとして機能している側面もありそうです。バルセロナ、スペイン代表で一時代を築いたピケの人脈がなせる業ですね。
95000人収容のカンプノウを満員に
ルールをエンタメ寄りに改変し、SNSでの発信を徹底したキングス・リーグは、なんとバルセロナの本拠地「カンプノウ」でも試合を実施しました。95000人以上を収容するカンプノウを満員にした実績で、スペイン国内でも注目度の大きさが本物であることを物語っています。
まとめ
今回は、スペインで話題沸騰の7人制サッカーリーグ「キングス・リーグ」を取り上げました。
私がこの話題を知ったのは、DAZNの「ラリーガ・フリークス・ボイス」の放送でした。小沢さん、桑原さんの語り口がわかりやすかったのですが、ネット上に日本語記事がほとんどないため、作成してみました。
W杯で盛り上がった昨年も、サッカーの試合を90分間見ている人はほとんどいない印象を受けました。サッカーファンとしては寂しい気もしますが、短尺化が進む時代に合わせていく柔軟性も必要なんだろうなと強く感じます。
まずはJリーグから、Z世代以下を取り込む改革の姿勢が出てくることを期待しておきます。
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